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■STORY
今年41才になる坊之宮美希(天海祐希)は結婚することはおろか、恋愛さえもせずにひとり、高知の山里で和紙を作る生活を送っていた。美希には人には言えないつらい過去があった。十代の頃、ある男に出会い、恋をし、そして結ばれた。美希は妊娠したが、実はその男はその存在さえ知らなかった実の兄の隆直(山路和弘)だったのだ。しかも美希の子供は死産だった。知らなかったとはいえ実の兄と関係を持った自分を呪った。それ以来、美希は人と接触するのを拒むようにひっそりと生きてきたのだ。
隆直を当主とする坊之宮家は、名門でありながら、村人たちからは“取り憑かれると喰い殺される”と忌み嫌われてきた狗神筋の血を引く家系だった。だが今のところ、ほかの村人とも何事もなく、平穏に過ごしていた。
そんな村に、オートバイで奴田原晃(渡部篤郎)が地元の中学に教師として赴任してきた。晃は何気なく入り込んだ家で美希と出会う。二人はお互いに運命的なものを感じ、年齢を超えて惹かれあう。そして村人に隠れて逢うようになり、いつしか押さえ切れぬ欲望のままにお互いの身体を求めあうのだった。しかも不思議なことに美希の髪から白髪が消え、肌につやが戻り、どんどんと若返り、妖艶になっていった。
二人が密会を重ねている頃、村では次々とおかしな出来事が起こりはじめていた。村を深い霧が包み、奇妙な悪夢を見るようになり、そして何かに取り憑かれたかのような村人の変死体が発見された。そんな夜、美希はおかしな物音で目を覚ましす。その音のする方へ行くと、母の富枝(藤村志保)が必死に拝んでいた。坊之宮家に代々伝わる壷の中に狗神がいて、爪先から人間の身体に入り込み、一度取り憑くとその人間が死ぬまで出ていかないので、決して開けてはいけない。そして自分が狗神の血を受け継がなければならないことを聞かされる。
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三島玉沢・妙法華寺前にて |
翌日、美希は病院に母親の薬をもらいに行くが、村人たちは美希を奇異な目で見る。美希の母親はすでに亡くなっていたのだ。やがて村人たちは、村で起こっている奇妙な出来事は坊之宮家の因縁のせいだと言い始める。美希と晃の関係も皆が知るところとなり、晃は転任させられることになってしまう。村人の美希への風当たりも強くなり、美希は晃とともに村を出る決心をする。だが先祖祭りの準備を進めていた坊之宮家の人間たちは驚愕の事実を知る。それを知った隆直はある決心を固めた。狗神の惨劇が始まろうとしていた・・・。
■解説
とてつもなく恐ろしく、エロティックな禁断。
『狗神』は『リング』シリーズなどとは趣を変えた、禁断のエロティック・ホラー。『死国』の坂東眞砂子の同名ベストセラーを、『金融腐食列島[呪縛]』の原田眞人監督が原作の持つ、日本の風土ならではの感覚を見事に映像に移し替えている。
『狗神』のテーマは「狗神のおぞましい祟り」、「誰も逃げることの出来ない血の呪縛」、「官能美の裏に隠された、決して侵してはならないタブー」の三つ。
大人のエロティシズムを描くため、主役の二人には実力派が選ばれている。40才から妖艶な美女に若返っていく美希に元宝塚のトップスターで、『クリスマス黙示録』や『MISTY』の天海祐希。微妙な均衡を保っていた村に波紋を投げかける晃に『ケイゾク』などで人気・実力ナンバーワン俳優の渡部篤郎。そのほか淡路恵子、藤村志保、矢島健一などベテランが脇を固めている。また原田監督の長男の遊人も出演している。
原田眞人監督はハリウッドで映画製作を学んだ国際派で、ドイツとの合作『ウィンディー』、アメリカ・インディーズの『
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ご子息であられ且つ役者遊人と…
三島玉沢・妙法華寺前にて |
ペインテッド・デザート』、カナダとの合作『栄光と狂気』など、インターナショナルな作品も多い。その原田監督が極めて日本的な題材を、これまでのジャパニーズ・ホラーとはまた違った視点で描いているところが見ものだ。撮影は静岡県御殿場市や三島市、岐阜県美濃市などで行なわれ、映画に登場する日本家屋の中には重要文化財級のもので、本物の日本家屋だけが持つ独特の空気感や存在感を放ち、映画にリアリティと恐怖感を与えている。
『狗神』は下山天監督の『弟切草』と二本立てで2001年1月27日に公開され、大ヒットを記録している。
■スタッフ
エグゼクティブ・プロデューサー/原正人
プロデューサー/鍋島嘉夫、井上文雄
監督脚本/原田眞人
原作/坂東眞砂子、
撮影/藤澤順一
美術/稲垣尚夫
音楽/村松崇継
■キャスト
天海祐希/渡部篤郎/山路和弘/深浦加奈子/遊人/矢島健一/淡路恵子/藤村志保/街田しおん
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