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原田眞人監督「狗神」撮影 in 沼津&三島
原田眞人監督「狗神」撮影 in 沼津&三島 byきむこ 2000年10月

2001年1月27日(土)に公開された「狗神」は、「リング」シリーズで一大ホラーブームを巻き起こした「角川冬のホラーシリーズ」の第5弾。原田眞人監督が、直木賞作家・坂東眞砂子さんの原作を映像化、恐怖と官能の世界を描き出します。 <東宝「狗神」オフィシャルサイトより>

この「狗神」、すばらしいロケ地での撮影、またよいスタッフ、キャストにめぐまれて、満足のいく作品にすることが出来ました。 と監督の言葉にもあるように、坊之宮本家は三島市の玉沢妙法華寺にて撮影、坊之宮美希の出産シーンは、沼津市我入道で撮影された。

当初、「長い階段が続く寺」をキーワードに、沼津市内の寺という寺を仲間で探し回り、大中寺をはじめ、いくつかの好捕地をおさえたなかで、最終的には峯村氏のご家族も眠っている玉沢妙法華寺に絞られ、撮影当日まで着々と峯村氏が現地手配を行った。
私も急遽ロケハンに同行し、実際に現場そして、撮影の許可をお願いしに、三島市役所・小池市長の元へ訪れた。はじめての妙法華寺では、奥様にお茶のおもてなしをいただき、数々の文化財を目の前で拝見させてもらい、こんな近くにこのようなところがあることを知り大変驚いた。

江戸時代初期にこの地に移された妙法華寺(六老僧日昭上人開創の本山)は徳川家康の側室・養殊院お万の方が帰依され、当時10万石の格式があったお寺で、今でも当時の面影を残している。徳川幕府、大田家の庇護厚い中で大伽羅を誇り、 ことにお万の方が植えたという古い桜の木は有名です。 春は桜、秋は紅葉の名所として三島市民から親しまれており、国や市の指定文化財も数多く保存されている。
<日蓮宗身延派経王山妙法華寺は日蓮上人の高弟日昭上人によって鎌倉の地に建てられたが、文禄3年(1594年)末寺の伊豆国加殿村妙国寺に移った。日薩上人の後に旧名大木沢を寺院建立の地と定めた。元和7年(1621年)堂塔伽藍が建立され、寛永2年(1625年)徳川秀忠より玉沢の地を朱印地として寄進された。

写真右は大田道灌を祖とする掛川藩大田家、累代の墓である。


10月の数日行われた撮影には、沼津名物「北口亭の餃子」をもって、連日原田監督&遊人会いたさに妙法華寺を訪問。最初に訪れた時のお寺が、撮影ともなると見事にその舞台となってしまう演出&小道具に驚き、そこに役者さんの真剣な演技をまのあたりにすると、 ココはどこかしら?とまるでセットのなかにいるような気分だ。先祖祭りに飛び入りする奴田原晃(渡部篤郎)が玄関で杯を酌み交わすシーン。実際の映像をみても、ここがあのお寺かとは、思えない。
遊人が、すらっと背の高いきれいな女性、街田しおんさんを紹介してくれた。その彼女が、 隆直(山路和弘)の奥さん役で、濃厚なラブシーンをした役者さんだとは、ずいぶん後になって同一人物だと知った。単純に芝居が上手いなーと感心するばかりなのだが、原田監督の普段ニコニコした姿と、撮影現場にいる監督は、全く別人のように、仕事している姿が格好いい。これが観たくて…、こんなところに惚れてしまう。(ポッ)
当時、伊豆新世紀創造祭での「ぬまづ丼」の取材で、監督とも面識のある、仲間の和田が取材にも来てくれ、朝日新聞にも掲載されたが、監督が地元で撮影を行ったことは、我らの誇りでもある。

撮影には、三島市民24名がエキストラに参加されたそうだ。

その後行われたHARADA FILMSの東京オフ会では、監督を囲んで10時間以上にわたって映画の話を聞き、ベルリンでの様子も伺えた。世界三大映画祭である第51回ベルリン国際映画祭コンペティション部門に参加された際のパンフにも、撮影地として三島・沼津と地図付で記載されており、ジモティーとしては感動ものであった。


原田眞人監督 「狗神」

■STORY
 今年41才になる坊之宮美希(天海祐希)は結婚することはおろか、恋愛さえもせずにひとり、高知の山里で和紙を作る生活を送っていた。美希には人には言えないつらい過去があった。十代の頃、ある男に出会い、恋をし、そして結ばれた。美希は妊娠したが、実はその男はその存在さえ知らなかった実の兄の隆直(山路和弘)だったのだ。しかも美希の子供は死産だった。知らなかったとはいえ実の兄と関係を持った自分を呪った。それ以来、美希は人と接触するのを拒むようにひっそりと生きてきたのだ。
 隆直を当主とする坊之宮家は、名門でありながら、村人たちからは“取り憑かれると喰い殺される”と忌み嫌われてきた狗神筋の血を引く家系だった。だが今のところ、ほかの村人とも何事もなく、平穏に過ごしていた。
 そんな村に、オートバイで奴田原晃(渡部篤郎)が地元の中学に教師として赴任してきた。晃は何気なく入り込んだ家で美希と出会う。二人はお互いに運命的なものを感じ、年齢を超えて惹かれあう。そして村人に隠れて逢うようになり、いつしか押さえ切れぬ欲望のままにお互いの身体を求めあうのだった。しかも不思議なことに美希の髪から白髪が消え、肌につやが戻り、どんどんと若返り、妖艶になっていった。
 二人が密会を重ねている頃、村では次々とおかしな出来事が起こりはじめていた。村を深い霧が包み、奇妙な悪夢を見るようになり、そして何かに取り憑かれたかのような村人の変死体が発見された。そんな夜、美希はおかしな物音で目を覚ましす。その音のする方へ行くと、母の富枝(藤村志保)が必死に拝んでいた。坊之宮家に代々伝わる壷の中に狗神がいて、爪先から人間の身体に入り込み、一度取り憑くとその人間が死ぬまで出ていかないので、決して開けてはいけない。そして自分が狗神の血を受け継がなければならないことを聞かされる。

三島玉沢・妙法華寺前にて

 翌日、美希は病院に母親の薬をもらいに行くが、村人たちは美希を奇異な目で見る。美希の母親はすでに亡くなっていたのだ。やがて村人たちは、村で起こっている奇妙な出来事は坊之宮家の因縁のせいだと言い始める。美希と晃の関係も皆が知るところとなり、晃は転任させられることになってしまう。村人の美希への風当たりも強くなり、美希は晃とともに村を出る決心をする。だが先祖祭りの準備を進めていた坊之宮家の人間たちは驚愕の事実を知る。それを知った隆直はある決心を固めた。狗神の惨劇が始まろうとしていた・・・。


■解説
とてつもなく恐ろしく、エロティックな禁断。
 『狗神』は『リング』シリーズなどとは趣を変えた、禁断のエロティック・ホラー。『死国』の坂東眞砂子の同名ベストセラーを、『金融腐食列島[呪縛]』の原田眞人監督が原作の持つ、日本の風土ならではの感覚を見事に映像に移し替えている。
『狗神』のテーマは「狗神のおぞましい祟り」、「誰も逃げることの出来ない血の呪縛」、「官能美の裏に隠された、決して侵してはならないタブー」の三つ。
 大人のエロティシズムを描くため、主役の二人には実力派が選ばれている。40才から妖艶な美女に若返っていく美希に元宝塚のトップスターで、『クリスマス黙示録』や『MISTY』の天海祐希。微妙な均衡を保っていた村に波紋を投げかける晃に『ケイゾク』などで人気・実力ナンバーワン俳優の渡部篤郎。そのほか淡路恵子、藤村志保、矢島健一などベテランが脇を固めている。また原田監督の長男の遊人も出演している。
 原田眞人監督はハリウッドで映画製作を学んだ国際派で、ドイツとの合作『ウィンディー』、アメリカ・インディーズの『

ご子息であられ且つ役者遊人と…
三島玉沢・妙法華寺前にて

ペインテッド・デザート』、カナダとの合作『栄光と狂気』など、インターナショナルな作品も多い。その原田監督が極めて日本的な題材を、これまでのジャパニーズ・ホラーとはまた違った視点で描いているところが見ものだ。撮影は静岡県御殿場市や三島市、岐阜県美濃市などで行なわれ、映画に登場する日本家屋の中には重要文化財級のもので、本物の日本家屋だけが持つ独特の空気感や存在感を放ち、映画にリアリティと恐怖感を与えている。
 『狗神』は下山天監督の『弟切草』と二本立てで2001年1月27日に公開され、大ヒットを記録している。


■スタッフ
エグゼクティブ・プロデューサー/原正人
プロデューサー/鍋島嘉夫、井上文雄
監督脚本/原田眞人
原作/坂東眞砂子、
撮影/藤澤順一
美術/稲垣尚夫
音楽/村松崇継

■キャスト
天海祐希/渡部篤郎/山路和弘/深浦加奈子/遊人/矢島健一/淡路恵子/藤村志保/街田しおん



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